−生まれはどちらですか?
コーリャ:ハノイ近郊の街です。
フン:私はハノイです。
−サーカスに関わるようになったきっかけを教えて下さい。
コーリャ
:子どものころは卓球とかスポーツをやっていたのですが、ある日、サーカスの先生が、スポーツをしている子供たちの所に来て、誰かいい子がいないかスカウトに来ました。いろいろな子供をサーカスで試してみて、600人くらい試してみたそうです。そのうちの私を含む10人がサーカスアーティストになりました。今はその10人の中で、今でもサーカスをやっているのは私だけです。私はとてもサーカスが好きなのです。
−
スカウトされた時から、サーカスが好きだったのですか?
コーリャ:小さい頃サーカスを見て、サーカスは好きでした。「やってみたいか?」と先生に聞かれて「やってみたい」と。それからいろいろなことを試しました。フンも同じです。彼はもう少し前です
。
−何歳の時ですか?
コーリャ:14歳の時です。
フン:16歳の時です。
−それでハノイ国立サーカスに入ったのですね?
コーリャ:はい、ベトナムで2年間サーカスを学んで、そのあと、交換留学で私を含めた10人がモスクワで4年間学びました。
1995年頃の国立ハノイサーカス
−フンさんは?
フン:私はハノイで学びました。
−クラウン以外にブランコとか、いろいろな芸をやっていたと聞きましたが、それはモスクワで学んだのでしょうか?
コーリャ
:はい、フライングトラペーズや、ティッターボード、ジャグリング他、10の演技を出来るようになりました。フンも6つの演技をやっていました。彼はモスクワには行っていないので、ハノイで学んだのですが、ヴォルティージュ(バンキン)の下の支えをやっていたり、イカリアンゲーム(人間を足で回す足芸)の下をやったりしていました。
パーチのジーマとパスジャグリングの練習
−一緒にモスクワへ行ったアーティスト達はどうしていますか?
コーリャ:私以外の他の9人はもうサーカス以外の仕事をしています。もっとお金になる仕事ですね。でも、私はサーカスが好きなのです。
−ハノイの学校の先生はベトナム人だけですか?
コーリャ
:いえ、フンの時はロシア人の先生がいました。いまはベトナム人だけです。
−今のベトナムのサーカスの状況はどんな状態でしょうか?
コーリャ:ハノイのサーカスがベトナムで一番大きなサーカスです。他にもホーチミン・シティーとか、様々な地域にサーカスはあります。
−
ホーチミン市や他の町のサーカスはどうでしょうか?
コーリャ:ホーチミンシティのサーカスは昔はとても小さなサーカスでした。ハノイから沢山サーカスアーティストがホーチミンに行って大きくなりました。他の地域にも沢山、家族でやっているサーカスとか、20人くらいのサーカスとか沢山あります。彼等はサーカス学校で学んだわけではなく、個人で学んで運営しているサーカスです。
−
ハノイのサーカスはお客さんはたくさん来ていますか?
コーリャ:はい、沢山来ます。昔は毎日公演していましたが、今は土日や休日だけ公演しています。祝日にいたっては、5〜6回公演することもあります。
−ハノイの国立サーカスはいつ設立されたのでしょうか?
コーリャ:1956年です。現在は230人のアーティストが所属しています。
−戦争が激しかったときも、途切れる事なくサーカスは続いていたのでしょうか?
コーリャ:ええ、サーカスは仕事をしていました。4〜5人のグループを組んで戦地各地の兵隊たちの所に慰問に行くこともありました。
−サーカスの魅力とはなんでしょうか?
コーリャ:サーカスにはいろいろな出し物があって、サルとか犬とか、熊とか象とか、そういったものもあれば、アクロバットがあったり、様々な世界があります。毎日違う番組が出演したり、いろいろ多彩な世界です。
−長いサーカス生活の中で特に印象に残っていることはありますか?
コーリャ:いろいろな国で仕事をしましたし、いろいろなフェスティバルにも出演しました。そして19年たって、日本にまた帰ってきました。前に来たときは15人でした。その時の写真もアルバムにたくさんあります。そして19年経ってまたここに戻って来て、スタッフさんも新しくなってますが、みな親切ですし、昔からの知り合いに会っているような気分です。古くからの友達に会うような、家に帰って来たような気がしています。
19年前のリトルーワルドにて
−お二人は何年一緒にやってますか?
コーリャ:ほぼ28年一緒にやっています。
−ご両親はサーカスの仕事はしていらっしゃいましたか?
コーリャ:私たち2人ともお父さんは警察官でした。サーカスの仕事をしたのは、家族で私たちだけです。
−お子さんはいらっしゃいますか?
コーリャ:私は2人の息子がいます。
フン:私には2人の娘がいます。
−お客さんへのメッセージをお願いします。
コーリャ:お客さんもいろいろと疲れていたり、普段の生活で大変なこともあると思いますが、私たちはクラウンですから、私たちが出演したら、にっこり笑って欲しいです。私たちも、むっとしているお客さんより、笑顔が見たいですからね。